三陸沖を震源に国内観測史上最大の巨大地震「東日本大震災」は、今までの「地震対策」としての認識を改めさせる物となりました。当サイトは数年前より運営を開始して、主に阪神大震災を対策モデルとして現在のコンテンツを作成しました。
しかし、東日本大震災で起きた「地震・津波・原発」といった複合災害には、阪神大震災の対策モデル以外にもさらに多くの用意が必要となり、次の更新予定箇所として本Webサイトに記事を付け加えるのではなく、フルリニューアルを行い「東日本大震災」を対策モデルとして進めていく予定です。
ただ、皆さんも薄々気付いていると思いますが、東日本大震災を対策モデルとして考えたとしても「地震が起きるから防災グッズを備え、耐震性に優れた住宅にしよう」のように行きません。例えば、津波による被害状況を見る限り根本的に対策しようとすると現実的でない(巨額の費用を投じることとなったり、引っ越しまで考えるような極論的な物に…)プランも多く出るでしょう。
このため、今回のような複合災害で既に市民が対策しうる範囲を超えてしまっている部分は、早期に避難・撤退が出来る体制を整えるという「撤退案」「回避策」「逃げ足」といったキーワードがメインになるかもしれません。
今回の津波は地震災害に強いとされる鉄筋コンクリートで造られた2階建て住宅を基礎ごともちあげてひっくり返したり、津波の直撃を受けた自治体の鉄骨3階の庁舎は骨組みだけとなりました。一部地域では、津波が斜面を駆け上った「後」、海へ戻ろうとする力が強烈でNHKの報道によればざっと3,000トンの力が加わったと言われております。
木造家屋は2階建てで20〜30トン、鉄筋コンクリート製の家で300トンの重量があるとされています。が、地形によっては津波が引いていく際の力は3,000トン。結果は見ての通りで、建物の耐久性・耐震性、新築・築年数云々というハナシが全く意味を成しませんでした(急斜面で駆け上った水の量が多いほど、引く際の力は巨大に…)。
首都圏、具体的には1都7県・約4.237万人の市民がいる。日本の総人口1/3ほどにあたる4.000万人が被災すれば、行政はおろか民間サービスも到底対応出来ない。ドーナツ化現象など常日頃の連携が取りにくい都市部では、衣糧品といった一定期間の備蓄は勿論、一層の自主防災能力を求められそうだ。
阪神・淡路大震災では、自衛隊派遣の遅れ、国際協力として来日した支援隊に対しての対応の無さ、防災ヘリコプターの利用判断、非常時であるのに物資の予算問題で対応が遅れるなど大きくの課題を残した。近年では都道府県間・民間企業との災害時の相互提携が報道されつつあるが、市民に対しては何処まで伝わっているだろうか?
停電一つを被害例にとっても、首都圏ともなれば被害件数は想像を絶する。個人の生活は勿論、行政や企業の業務は麻痺、金融機関も証券取引所も業務停止。病院では医療機器が停止する為、人工呼吸器・人工透析を利用している患者は命に関わるし、MRIやX線といった診断に用いられる医療機器も使えない。また、日本の電力は関東/関西とで50Hz/60Hzと統一されておらず、エンジニアが居ても大都市圏への給電支援が行えない問題も立ちはだかっている。
風呂・トイレといった衛生面の課題は大きかった。飲む水さえ不足する中でシャワーや湯船につかれる余裕は無いし、長引くほど被災地生活の不快感は高まる(夏場ならば余計に)。水洗化された現代のトイレは水が無ければ流すことさえ出来ない。医療も被災状況を上手く伝えなければ、野戦病院と化した病院もあれば、ガラガラの病院もあった(報道・対策本部・医療の連携が不十分だった為、患者が偏ってしまった)。
地震調査研究推進本部の報告書では、2035年(2005年1月1日を起点)までに東海地震の発生確率は参考値84%と切迫性が高いとしている。もし、東海地震が発生→東南海・南海と短期間に連動するパターンだと被災エリアが静岡県〜高知県の端までと非常に広範囲なり、隣接する自治体からの支援が分断されてしまう可能性が高い。
また、首都直下地震については文部科学省の平成18年8月「首都直下地震防災・減災特別プロジェクト」の報告書によれば、今後30年以内が70%、50年以内では90%程度と高い数値を予測を出している。
オフィス街では数え切れないほど設置されたエレベーターがストップ。閉じ込め事故が多発し、密閉空間へ何時間も閉じ込められてしまう。地震対策を施している自動運転型のエレベーターでさえも、一定の震度を超えると機能しない(エレベータ本体・周辺施設に損傷がある、と判断される為)。
火災に関しては、予算の都合、隊員の確保、車輌通路確保、被災に対して要求される消防器具・施設の圧倒的少なさから行政による消火活動は見込めない。平常時の火災とは異なり、同時多発的に火災が起きれば対応は物理的に不可能。この為、消火活動は市民が結成する消防団への参加を呼びかけている。総務省消防庁のデータによれば消防団員(平均年齢37.8歳)は90万7人だが、年々減少傾向にある。
地震対策に各研究機関・専門家などから指摘は相次ぐものの、行政の計画はやはり進みにくい。食糧・飲料水備蓄も殆ど用意されていないケースもあり、仮に用意されたとしても、かつて無い大規模災害を前に充分配給出来る体制を整えるのは困難なのは明白だ。
防災グッズは名の通り被災時に心強いアイテムだが、買い集めて、それで安心してしまいやすい。普段から扱い慣れていないと使い方が分からなかったり、工具・調理器具の操作方法を誤って怪我をしてしまう事や、被災現場を返って大きくしてしまいかねない。
工具に関しては、土木・大工仕事でもすれば良く分かるのだが、そんな機会が無い人は
社団法人:日本DIY協会 http://www.diy.or.jp/howto/ht_01.html
のサイトを参考にしてみると、だいたいイメージが湧くかも知れない。