勿論、贅沢言えない状況もあるが、地盤沈下、砂利が流されて泥の海、側溝が無く床下浸水、街灯も無い。プライバシーは体育館などの避難所よりかは有るが訪問販売・新興宗教勧誘・マスコミの取材と続き、塞ぎ込んでいる世帯も数多く見られた、と、板宿病院医療ソーシャルワーカーの方は心配していた。
災害弱者優先として入居を募集したらしく、その結果、高齢者ばっかりが集まる異様な雰囲気になったとも。若手がいない為、ちょっとした整備もままならず、避難所の士気も低水準へと落ち込みやすい。逆に応募したら近隣住民が各地域へバラバラに割り当てられ、孤独死を誘発させたとも。
また、入居は建築基準法の下、2年以内の「仮住まい」として設定されている。入居できる期間は、仮設住宅完成日から2年以内。2年の期間内に引越し先(持ち家、借家等)を確保しなければ、法的に追い出されてしまいかねない(状況に応じて延長される場合はあり、4年まで伸びたこともある)。
加えて、無断で模様替えや増築をし、住居の形状 を変更は出来ない。簡易な模様替えや増築については許可申請書を市役所建築住宅課に提出しなければならず、退去時に元通りに直す必要がある。入居者の負担で修繕を行う場合も市への連絡が必要だ。
阪神・淡路大震災の例では仮設住宅設置から1年後、なんとか出来る人(会社勤務、出稼ぎ)は既に仮設住宅からは抜け出しており、残った人達は自助努力ではどうにもならなくなってしまった人が残った。具体的には、震災による失業、高齢者、傷病者、母子家庭、生活保護受給世帯である。
阪神大震災・被災地の風貌 柳原一徳 著
1999年3月刊 A5判並製170頁
ISBN 4-944173-02-4 C0036
ISBN 978-4-944173-02-0
神戸の復興にあたり、被災生活の苦しみ、主に自治体との衝突が綴られている。被災生活のハウツー本という訳ではないが、読んでいくと被災時に身動きが取れなくなる様々なパターンが浮かび上がってくる。コミュニティ、経済面、補償、健康、そして将来。